タッチケア普及の目的
スキンシップ不足、抱っこを嫌がる赤ちゃん、幼児虐待などが急増する中で、親子があたたかいコミュニケーションをとりながら、「親子のきずな」を深めていくお手伝いをすることが目的です。当会では、低出生体重児~乳幼児へのタッチケアを広く普及しています。
タッチケアのルーツと広がり
1992年米国マイアミ大学内に設立された「タッチリサーチ研究所」(TRI:Touch Research Institute、フロリダ)のティファニー・フィールド博士によってアメリカで確立。アジア・オセアニアなど世界20か国以上の赤ちゃんが、医師・助産師・看護師、そしてお母さん、お父さんからその手技を受けており、日本でも本格的な普及活動が始まっています。
タッチケアの手技は2通り
当会では、新生児(特に低出生体重児:NICU新生児集中治療室にいる赤ちゃん、もしくは月齢3か月未満の健常児)向けと、3か月以上の健常児向けの2種類を基本手技としています。
タッチケアは、抱っこやおんぶ、手をつなぐ、添い寝など、ふれあいを指しています。
手技は参考までに、ご紹介しているものです。
この手技は、適時アレンジを入れてタッチケアをしていただきたいです。
タッチケアで深める親子のきずな
日本タッチケア協会
名誉会長
前川喜平
東京慈恵会医科大学
名誉教授
生まれたばかりの赤ちゃんをお母さんの胸の上に置くと、お母さんは自然と手を赤ちゃんの背中に置き、やがてなでるようになります。こればかりではなく、お母さんは赤ちゃんを抱きしめたり、さすったり、なでたり、頬をすりよせたりします。これがタッチケアの原点です。我が子を可愛いと想う親の自然な行動として、楽な気持ちで始めてください。
我が子と過ごす楽しいひととき、それがタッチケアです。
効果とデータ
低出生体重児の体重の増加
マッサージを受けた低出生体重児は、マッサージを受けていないグループより、1日あたりの体重増加が平均で約47%高いという結果が得られました。
乳幼児のストレス軽減
Field TM, et al. Tactile/kinesthetic stimulation effects on preterm neonates. Pediatrics. 1986; 77: 654-658
Field TM, et al. Massage therapy for infants of depressed mothers. Infant Behavior and Development. 1996; 19:107-112
1か月から6か月の乳幼児に、タッチケアを何週間か続けることによって、ストレスの目安となる尿や唾液中のコルチゾールの量が減少することがわかりました。
入眠時間の短縮
マッサージを行うと、1日目は眠りに入るまでに40分以上かかっていた乳幼児が、4週間後には約25分で眠りについたという結果が出ました。
タッチケアにおけるオイルの有用性
月齢1か月の新生児60名に、オイルを使った場合と使わなかった場合とで、タッチケアへの反応を比較したところ、オイルを使ったほうが、むずがったりすることが少ないという結果が出ました
※当会は、推奨、指定しているオイルはありません。
赤ちゃんに、安心・安全な品質をお選び下さい。
尚、香りについては、香料無添加、天然の香料でも、ない方が良いとお話しています。
※データのコピー、転載など、使用される場合は、協会へお知らせください。
また、使用の場合は、出典先 日本タッチケ協会と必ず明記をお願いします。